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青葉の放言

大学生の戯言を綴っています。身の回りの出来事から政治・社会問題に至るまで雑多なことを書き連ねております。

実はドナルド・トランプが一番「マトモ」かもしれない③

(2)トランプに救いを求める人たち

①苦しんできた「プア・ホワイト」

 アメリカの現状を考えたとき、アメリカの一定数の有権者にとっては、トランプこそが一番「マトモ」な候補者でした。その一定数の有権者とは、エスタブリッシュメントではない、貧しい白人層、いわゆる「プア・ホワイト」と言われる人々です。アメリカの白人層は、全人口の70%台半ばですが、そのうちの約8割、すなわち全人口の50%強の人々が「プア・ホワイト」に分類されます。彼らこそ「トランプ大統領」を待ち望んでいる人々なのです。

 プア・ホワイトとは、上で述べた通り貧しい白人層を指す言葉ですが、彼らは21世紀に入ってから政治に取り残されてきた存在でもあります。ブッシュ政権期はイラク戦争自由主義政策の中で貧困にあえぎ、オバマ政権期は医療保険制度改革の中で税金に苦しんできました。そんな彼らは今の政治に強い強い不信感を抱いています。

②トランプの孤立主義

 彼らの不満を汲み取り政治の世界に現れた人物こそ、ドナルド・トランプその人でした。さきほど、「マトモ」なストーリー、などと小難しそうなことを言いましたが、そのストーリーはたった一つの言葉で表すことができます。そのキーワードは「孤立主義」です。さらに、言い換えれば「まず自分たちが幸せになろう」ということです。

 この視点から考えたとき、トランプ氏の政策は一つの線となってつながります。不法移民に金を使う必要はないから壁をつくろうじゃないか、イスラームの人々に金を使う必要はないから追い出そうじゃないか、日本や韓国を守ってやる必要はないし核を持ちたければ勝手に持ってくれ、TPPなんかやらずにしっかり関税をかけて経済を守ろうじゃないか、と。すべては、「生活に困っているプア・ホワイトのために」です。

(3)「マトモ」違い

 トランプ政策の背景にあるのは「孤立主義」であり、それがプア・ホワイトと呼ばれる層から絶大な支持を得ていることを ご理解いただけたかと思います。

 人口の約半数の人が苦しんでいるのなら、それを救おうとするのは「マトモ」なことでしょう。むしろそれを放っておくアメリカ政治の方が「ヤバい」と私は思います。プア・ホワイトと呼ばれる彼らだって、自らを救ってくれる人に投票するのは当然でしょう。民主主義が正しく機能している証です。

 私がこの文章を通じて訴えたかったのは、トランプ氏はある意味当然の政策を唱えているに過ぎない、ということであり、さらに言うならば、「ヤバい」奴としてトランプ氏を語るメディアの報道を鵜呑みにするのは危ない、ということです。

3.おわりに

 非常に長くなってしまいましたが、トランプ現象の分析は以上のようになります。誤解していただきたくないのは、私は決してトランプ氏を支持しているわけではないということです。トランプ氏がマトモであることはさんざん述べた通りですが、やはりそこには危うさも存在しています。明日はそちらの面に焦点を当てます。今日は取り上げなかったトランプ氏の影の面も紹介しつつ、トランプ現象に関する私見を綴りたいと思います。