青葉の放言

大学生の戯言を綴っています。身の回りの出来事から政治・社会問題に至るまで雑多なことを書き連ねております。

若者は右傾化しているのか②

右傾化について~前回書いたこと

 今回も、前回に引き続き若者の政治・社会に対する態度や立場について書いてみたいと思います。まず前回書いたことを簡単にまとめます。

 まず、最も言いたいことは、自民党を支持する若者は増えているけれど、それは若者が「右翼化」しているからではない、ということです。若者の自民党支持の増加は、「右翼化」しているからではなく、「保守化」しているがゆえの変化だ、というのが多くの社会学者たちの間で共有されていることです。ではなぜ、若者は現状維持を望むのか、すなわち「保守化」しているのか。それは、今の若者が希望をもっていないからだ、と書きました。「こんなもんだよね」という悟りがあるのだから、現状を変えることにエネルギーを割こうとはしないのです。さらに踏み込んで、その風潮の背景にあるのは何か、ということも述べました。「先進国」としてのナショナリズムと、「ネット・スマホ」における個人の自由の享受が、大きな役割を果たしているだろう、ということです。

 

ネトウヨはなぜ「右翼」なのか

 今日考えたいのは、若者が「右翼化」している側面もあるということです。「ネトウヨ」と呼ばれる存在がネット空間に登場して久しいですが、なぜ「ネトウヨ」が生まれるに至ったのか、ということを考えてみたいと思います。

 結論から述べると、「ネットメディア」の特質がその理由です。90年代後半から登場してきたネットにおけるメディアですが、近年その存在価値はさらに高まってきているような気さえあります。

 ネットメディアの存在価値は「アンチ・新聞テレビ」であることです。「テレビでは言えない……」「大手新聞が報じない……」みたいなタイトルのネット記事を読んだことある方は多いのではないでしょうか。アンチ大手メディアとして「本音が言える」「本音がわかる」ネットメディアは重宝されているのです。

極端な新聞やテレビ?

 

 新しいメディア・ネット空間vs従来のメディア・新聞やテレビという構図を確認したところで、従来のメディアである新聞やテレビについて考えてみましょう。

 新聞・テレビについては「偏向報道」が去年から指摘されています。左派メディアに対するバッシングが、ネット空間を中心に巻き起こっています。これも言わば当然のことといえるでしょう。一方では、首相の「読売新聞を…」という国会答弁をきっかけに、読売新聞をバッシングする向きもネット上には存在しています。 

 新聞やテレビは果たして「偏向」「極端」なのでしょうか。面白いのはNHKに対するネット世論です。ツイッターではNHKに対して「左翼メディア」「御用メディア(政権寄り)」という両者のレッテルが張られています。ネット世論におけるレッテル張りの際、客観的事実に基づく必要はありませんから、それだけいい加減に、自分に都合の良いように、語られているだけなのかもしれません。

 そう考えてみると、「偏向」というのも、従来のメディアのアンチテーゼとしてネットメディアが語っているだけなのかもしれません。あくまで、第4の権力とも呼ばれるマスメディアが、「権力の監視」として、政府に批判的な報道をしていた、それに対して「反・旧メディア」として「右翼的」なネットメディアが存在している、ということです。 

 それは「2ちゃんねる」に代表されるいわゆる「ネトウヨ」世界にはとどまりませんでした。先ほどから少しずつ述べている通り、ツイッターにおいてもその現象は顕著です。「反・旧メディア」の立場から記されたツイートが多くの人に共有されているのをしばしば見ます。

 若者の「右翼化」はメインストリームではないけれど、「反・旧メディア」的立場として「ネトウヨ」が登場したということです。そして、自由なネット空間では、その意見が先鋭化してむしろネット空間の方がより「極端」な場になっている。

 そういう現状だからこそ、ネット世界に浸っている若者は「右翼化」したとみられているのかもしれません。

 前回からの繰り返しですが、多くの若者は「保守化」しているのであって、「右翼化」しているのではありません。しかし表面上「右翼化」と解釈されるのは、「若者=ネット=ネトウヨ」という、ネットメディアの性質に起因する若者の捉え方が背景にあるからだと言えるでしょう。